―文献名―
Hiroshi Kurihara, Takami Maeno, and Tetsuhiro Maeno.Importance of physicians’ attire: factors influencing the impression it makes on patients, a cross-sectional study.Asia Pac Fam Med. 2014; 13(1): 2.Published online Jan 8, 2014. doi: 10.1186/1447-056X-13-2
―要約―
【目的 】
患者さんに信頼感を抱かせる医師の服装の重要性を、患者像・好み・服装が印象に影響を与える要素を通して明らかにする。
【方法】
自己記入する質問票を、日本内の5か所の薬局において20歳以上の患者さんまたは介護者に配布し実施。調査は2日間連続で各薬局で行った。医師に対する信頼感を見積もるために、6項目、すなわち医師の服装・発言(話し方・音量・トーンなど)・年齢・性別・肩書き(教授・PhDなど)・評判を質問した。そして参加者に、男女の医師における5つの異なるタイプの服装(白衣・スクラブ・semiformal・smart casual・casual)の写真を提示し、5点のリッカートスケールを用いて各服装の妥当性を質問された。
【結果】
薬局へ来た1,411人の患者さんまたは介護者のうち、530人が質問に回答し、491人が全てに解答しその後の分析に利用された。発言は医師への信頼感を決定する最も重要な因子(平均点 4.60)であり、評判(4.06)・服装(4.00)がそれに続いた。
服装に関しては、医師の性別に関わらず、白衣は最も妥当なスタイルと判断され、スクラブがそれに続いた。スクラブに対する好みのみが年齢・性別・地域に有意に影響された(P<0.05)。二項ロジスティック回帰分析を用いて、我々はスクラブの妥当性の高低における年齢の影響を評価した(高:スケール 3-5点, 低 1-2点)。20-34歳と比較し50-64歳と65歳以上の年齢でスクラブが妥当でないと答えた人が優位に多かった(調整オッズ比:男性医師 4.30と12.7, 女性医師 3.66と6.91)。
【考察】
服装は医師に対する患者さんの信頼感を抱かせる重要な因子の一つである。白衣は医師にとって最も妥当な服装と考えられ、スクラブがそれに続く。しかし、年齢層の高い方は、低い方と比較してスクラブはより妥当でないと感じる傾向にある。
【開催日】
2014年10月8日(水)