【文献】
Gotoh F, et al.: Cilostazol stroke prevention study: a placebo-cintrolled double-blind trial for secondary prevention of cerebral infarction J Stroke Cerebrovasc Dis. 9 (4): 147-57, 2000.
【要約】
(この研究の目的)
本研究の目的は、多施設、無作為、プラセボ比較対照、二重盲検臨床試験を用いて、脳梗塞の再発におけるシロスタゾールの効果を検証することである。
(この文献のPECO)
P:脳梗塞発症後1~6か月以内の患者
E:シロスタゾール100mg1日2回投与
C:プラセボ
O:脳梗塞の再発を予防できるか?
(方法)
期間は1992年4月~1996年3月において脳梗塞発症後1~6ヶ月の患者を対象とした。
シロスタゾール100mg 1日2回投与群とプラセボ投与群に、無作為に割り付けた。
Primary endpointは脳梗塞の再発。最終的に、1095人の患者が登録。うち1052人が残り、シロスタゾール投与群526人、プラセボ投与群526人に割り振られた。
Base lineに有意な違いはなかった。脳梗塞の種類では、シロスタゾール投与群/プラセボ投与群で、ラクナ梗塞が75.0%/73.8%と最も多い割合を占め た。内服期間は632.2±467.7日/695.1±456.3日であった。最終的にプロトコール通り投薬を受けた続けた患者は、シロスタゾール投与群 で250人(追跡率250/544=46%)、プラセボ投与群では279人(追跡率279/548=50.9%)であった。
(結果)
(evaluable population評価可能な集団)1052人の中で121人が血管イベントを生じた。
非致死的なものは48人/69人、致死的なものは0人/4人であった。
シロスタゾール投与群でも脳出血のリスクを上昇させなかった。
脳 梗塞が再発(Primary endpoint)した患者は、シロスタゾール投与群では30人/889.6人年で(3.37%/年)あった。一方プラセボ群では57人/986.0人年 (5.78%/年)であり、RRR41.7% [CI],9.2% to 62.5%(P=.0150)、NNT41.5であった。
また、1067人のITT解析でもRRR42.3% [CI],10.3% to 62.9%(P=.0127)であった。
さ らに、subgroup解析で脳梗塞のタイプ別におけるラクナ梗塞の発生はシロスタゾール投与群で20人/673.8人年(2.97%/年)、プラセボ投 与群で39人/743.4人年(5.25%/年)であり、RRR43.4%[CI],3.0% to 67.0%(P=.0373)、NNT43.9であった。
【開催日】
2010年4月21日(水)