【文献】
Holmes TH, Rahe RH: The Social Readjustment Rating Scale. Journal of Psychosomatic Reseach,Vol.11,P213-218,1967
【要約】
<背景>
病 いillnessの発症は「life stress」「emotional stress」「object loss」など呼ばれ、新たに生活を適応させることを強いるものであるという先行研究がある。ただ今までインタビューや質問表が使われてきており統一した ものがなかった。今後の研究のためにもライフイベントの重要性を測定する量的ものさしを定義するのがこの論文の目的である。
<方法>
Table1の質問票をTable2ようなベースラインの394人に行った。
質問票に入る前に
(A)社会的な再適応readjustmentは適応までの量と期間が関係しています。イベントの望む望まないにかかわらず、適応するまでの大変さと必要な期間によって、readjustmentは測定されます。
(B)Valueの記載にはあなたのすべての経験を元にして下さい。つまり極端なケースに偏らずあなたの平均的な適応readjustmentを教えてください。
(C)具体的な方法は、結婚を500として、その適応に必要なエネルギーより多いか少ないかでValueに記載してください。
<結果>
Table3参照。
各イベントの平均値を10で割り、上から並び変えたものである。
Table2より各グループで比較して相関係数はWhite対Negro以外は0.9以上と高い数値を示す。
Kendallの一致係数(※1参照)0.477は一致度はいまいち。
上位7位をあげると、配偶者の死100、離婚73、別居65、拘留63、ちかしい家族の死63、自分の怪我や病気53、結婚50であった。
<Discussion>
歴 史的にはAdolph Meyerのlife chartに挙げられている重大イベントと似たような結果であった。また最近ではHarold G.Wolff研究室の結果から、このようなストレスフルなライフイベントが、多くの疾患の重要な原因因子となっていることが分かっている。Table1 に挙げられたイベントリストも、この研究所の研究結果より導き出されたものである。ライフイベントには2パターンあり、個人が自分のライフスタイルへの適 応する問題と、個人が環境への適応に巻き込まれる問題である。大体は普遍的なイベントだが、そうでない場合もあり、大きな影響をもつ。家族構成、結婚、職 業、経済面、住居、職場内やグループ内の人間関係、教育、宗教、余暇活動、健康である。各イベントへの反応は、適応することだけでなく、その後も生活をし ていく上で必要な変化である。
この重要度の評価は、身体レベルの観察から推測されるだろう。(イベントの長さ、重症っぽさ、目の輝き、イベントの数など)また今回のリストもその推測に役立つ。ただこのリストに見合わない重要度をもつ集団もあるだろう。
【開催日】
2010年5月12日(水)