【文献】
Little S, Ypinazar V, et al: Early practical experience and the social responsiveness of clinical education: systematic review. BMJ, Aug 2005; 331: 387 – 391
【要約】
<目的>
地域での早期臨床体験(医学部1-2年生)がいかに医学教育に影響を及ぼすかを知る。また、そのエビデンスのレベルや限界を認識する。
<デザイン>
1992-2001の10年間に報告された論文(経験的な研究全てが対象。各論文のデザインや方法は問わない)のエビデンスレベルと重要性をランク付けしたsystematic review。
<結果>
早期臨床体験は、医療の行き届かない住民のために働くプライマリ・ケア医を募ることを目的としたため、地域でなされることが多かった。
そのためこの体験は、プライマリ・ケアのレジデントを増加させた。
また、自己認識と病人に対する共感的態度を育み、自信を持たせ、動機付けをし、満足感を与え、職業人としての自覚を促した。
人間関係のスキルを伸ばすことにより、臨床実習の際のストレスを減らした。
そして、自分の職業が果たす役割や責任、そしてヘルスケアシステムや住民の健康ニーズを学びやすくした。
生物医学的・行動学的・社会科学的をより関連付け学びやすくした。
教官や患者を動機付け、カリキュラムを良いものにした。
ある国々では、低学年の学生が予防的なヘルスケア活動を住民に対し行っていた。
<結論>
早期臨床体験は医学生の学びを促し、彼らの学びや将来の仕事に対する適切な態度を育み、医学教育カリキュラムを社会ニーズに向けさせた。
この利点は介入研究のエビデンスとしては得られそうにないが、それでもより多くの医学校が導入するだろう。
【開催日】
2010年5月19日