【文献】
Dworkin et al: Pregabalin for the treatment of postherpetic neuralgia A randomized, placebo-controlled trial.Neurology: 2003;60;1274-1283
【要約】
(目的)
帯状疱疹後神経痛の治療にプレガバリンの効果と安全性を評価するため
(方法)
帯状疱疹の発疹が治癒して3カ月以上痛みがある帯状疱疹後神経痛の患者に対して、二重盲検でプレガバリンとプラセボを8週間投与して比較したRCT。
173人の患者をランダムに割りつけてプレガバリンかプラセボで治療した。
Ccr>60の患者に600mg/日、30<Ccr≦60の患者に300mg/日投与。
主要な効果尺度:最終7日間の疼痛の程度の平均値。
副次的なエンドポイント:他の疼痛の尺度、睡眠障害、QOL、気分、患者と医師の全体的改善率(ratings of global improvement)。
(結果)
・プレガバリン治療群はプラセボ群と比較して痛みが相当軽減した(エンドポイント平均値:プレガバリン群3.60、プラセボ群5.29、p=0.0001)。治療の初日から治療期間を通して、プレガバリン治療群の疼痛は著明に減少した。
・McGillのPain Questionnaireのtotal score,sensory score,affective scoreでも同様に著明な改善がみられた。
・疼痛の平均値が30%以上減少したという患者の比率はプレガバリン群は63%、プラセボ群は25%。疼痛の平均値が50%以上減少したという患者の比率はプレガバリン群は50%、プラセボ群は20%でp=0.001であった。
・睡眠は、プラセボ群と比較してプレガバリン群は改善した(p=0.0001)。
・global improvementは医師、患者両方ともにプレガバリン群はプラセボ群と比較して有意な差があった(p=0.001)。
・最大投与量でプレガバリンはプラセボと比較して、軽度から中等度の副作用がより多く見られたが、受け入れられるものであった。
(結論)
帯状疱疹後神経痛の治療にプレガバリンは安全で、プラセボと比較して疼痛、睡眠障害を緩和するのに対して有効で、全体的な改善もみられる。
【開催日】
2010年6月2日(火)