【文献】
Stille CJ: Coordinating Care across Diseases, Settings, and Clinicians: A Key
Role for the Generalist in Practice. Ann Intern Med. 2005 Apr 19;142(8):700-8.
【要約】
《背景として》
コー ディネーションはプライマリケアの原則の一つであるが、アメリカにおける医療システムでは徐々に複雑化する医療の中で提供するのが難しくなってきている。 研究や臨床においてそれを推進していくためには、さらなるエビデンスが必要である。ジェネラリストはケアをコーディネートし、ほとんどの患者に対してのケ アのハブとして機能し、臨床医同士のコミュニケーションを改善し、チームアプローチを実施し、患者と家族の関係性を統合し、医療情報を統合するために診療 すべきである。ジェネラリストの診療において中心的要素であるが労力を要する。今後、コーディネーションの本質的要素を同定し、健康度を改善する上で有効 であることを示していく必要がある。
《方法》
5人の臨床医(総合内科医3名、家庭医1名、小児科医1名)によるボランティアグループを作り、コーディネーションについての文献をレビューし、recommendationを作成した。5度の電話会議と頻回のe-mailのやり取りを6カ月にわたり実施した。
その結果、ジェネラリスト診療の観点から以下の問いに対しての研究が選ばれた。
1.コーディネーションがヘルスケアを改善するエビデンスにはどのようなものがあるのか?
2.コーディネーションする際にジェネラリストの診療はどのような役割を果たすべきか?
3.ジェネラリストとスペシャリスト間の協働においてどのような改善をすればよいか?
4.最良のコーディネーションを提供するためにはどのようにチームを構成すればよいか?
5.コーディネーションにおいて患者とその家族はどのような役割を担うべきか?
6.医療情報はコーディネーションにおいてどのように役立つのか?
彼 らはレビュー後にrecommendationとさらなる研究の必要性を指摘した。その後2003年national grantees’ meentingにて100人以上のscholars,mentors,nationally achnowledged expertによって議論され、その内容も結果には盛り込んだ。
《結果》
Consensus Recommendations
1.健康を改善するためのコーディネーションは価値があるということを証明し、コーディネーションモデルにおいて最も有用な要素は何かを同定するために更なる研究が必要である。
2.ジェネラリストはほとんどの患者に対してコーディネーションの医療的側面から適切なハブとなる必要がある。
3.ジェネラリストとスペシャリストは適切なタイミングで、しっかりと計画立てられたケアを保証するためにより密接に協力しあい、コミュニケーションをとらなければならない。
4.ジェネラリストは患者やコミュニティに対して適切で見えやすいチームを構築しなければならない。そしてそのチームを維持しなければならない。
5.コーディネーションにおいて患者と家族の役割はヘルスケアシステムによって育て、盛り上げられなくてはならない。
6.ジェネラリストは知識量を増やすためのコミュニケーションとアクセスを良くするために合理的な情報活用システムを構築すべきである。
【開催日】
2010年9月15日(水)