【文献】
Ottto R. Maarsingh,MD: Causes of Persistent Dizziness in Elderly Patients in Primary Care. Annals of Family Medicine:196-204, 2010.
【要約】
《目的》
めまいの患者の多くはプライマリ・ケアで診察を受けているが、ほとんどの研究は2次・3次医療機関のものである。我々の目的はプライマリ・ケアでの高齢者のめまいの亜型を明らかにし、めまいの原因を評価することであった。
《方法》
2週間以上持続するめまいで家庭医に受診している高齢者で、横断研究を行った。
全ての患者は包括的な評価を受けていた。
患者のデータは、家庭医、老年科医、高齢者住宅の医師からなる委員会で再検討され、めまいの原因を結論づけた。
《結果》
2006年6月から2008年1月まで、65歳から95歳の417名の患者。
前失神(Presyncope)が最も多い亜型で69%であった。
その他認められた亜型は回転性めまい(vertigo,41%),平衡感覚の障害(disequilibrium,40%),その他のめまい(other dizziness,2%),不明(委員の意見の一致を見なかったもの:no consensus,4%)。
44%の患者において、めまいの症状が複数の亜型に属していた。
心血管疾患が最も多い原因で57%であった(表)。
その次が末梢前庭疾患で14%、精神疾患は10%であった。
薬の副作用が原因と思われたものは23%であった。
62%の患者は複数の原因を合併していた。
《結論》
以前の多くの研究に反して、心血管疾患がプライマリ・ケアでの高齢者のめまいの最も多い原因となっていた。25%は薬の副作用が原因として考えられ、これも以前の研究で報告されているよりも多かった。
【開催日】
2010年9月22日(水)