~新しいCSR(カルテを利用したケースレビュー・振り返り)のワークシート~

【文献名】
Shirley Schipper : Structured teaching and assessment; A new chart-stimulated recall worksheet for family medicine residents: Can Fam Physician 56(9) 958 – 959, 2010.

【要約】
Evidence and Best Practice
・CSRは、診療の強みと弱みを同定するツールとして効果があり信頼性がある。
・CSRの信頼性と妥当性は家庭医療学の分野とそのほかの専門家、リハビリの領域で発展してきた。
・CSRの最もよい利点はFeedbackをすぐにかけることができる評価ツールであることである。
・学習評価のためのレジデント教育へのCSRの適用は、論理的Stepがある。
・今までのCSRではPatient centered careの評価が弱かったため今回再作成した。またCanMEDS-FMの役割(2009年提唱のカナダの家庭医の役割)に則って質問を再構成した。
・新しいCSRの私たちの使用経験では全てのレベルの学習者に有用であり、特にハイレベルに機能していて外来でのFeedbackが少なくなりがちな優秀な学習者に役に立つことがわかった。また困難を抱えている学習者にとってもCSRワークシートは、知識のギャップを表面化し、臨床推論スキルを評価し、共通の理解基盤に立つための問題点を同定するために有効であった。

Using the CSR tools
・学習者は課題の準備をする。指導医は学習者にカルテをレビューし事例についてディスカッションを行うことを知らせる。
・学習者はこれが教育セッションであることを知らされ、学習者はカルテ記載やカルテレビューでFeedbackを受けることを知らされる。
・レビューのためのカルテが選定される。
・指導医、学習者でカルテ記載をみて、カルテ記載についてのFeedbackをワークシートのBoxAに書く。
・質問リストから、患者中心のケアや家庭医の役割について切実なものを選んで議論のガイドとする。
・議論に対するFeedbackをワークシートのBoxBに記入する。
・Feedbackを学習者に渡し、ポートフォリオにはさんでもらう。

Conclusion
・CSRは各プログラムや自身のニーズに合わせて使用される。
・コンピテンシーに基づくシステムの一部として、また困難を抱える学習者について、有用性を更に調査中である。

*CSRワークシートの使用説明書・質問集の和訳、CSRワークシートのVer1.0は添付文章参照。

【開催日】
2010年12月8日(水)