【文献名】
Warfarin Dose Assessment Every 4 Weeks Versus Every 12 Weeks in Patients With Stable International Normalized Ratios A Randomized Trial. Sam Schulman, MD, PhD; Sameer Parpia, MSc; Clare Stewart, MA; Lisa Rudd-Scott, RN, BScN; Jim A. Julian, MMath; and Mark Levine, MD, MSc
Ann Intern Med. 2011;155:653-659.
【要約】
<背景>
ガイドラインではワーファリンを内服している患者ではPT-INRを4週間毎に測定するように推奨されている。
<目的>
12週毎の測定が4週毎の測定と同じくらい安全かどうかを調べた。
<デザイン>
ランダム化非劣性試験。ランダム化のスケジュールはパソコンで作成。集中スケジュールを用いることで、データがロックされている限り、配分は隠された。患者、研究や臨床に関わる人、臨床イベントを審査する人、研究の統計者に治療割り当ては盲検化されていた。
セッティング:カナダのオンタリオ州、ハミルトンの単一センター
<患者>
長期間のワーファリン治療を受けている250人の患者で、少なくとも6か月間は用量の変更がない患者。226人が研究を終了した。
<介入>
12か月間、4週毎の用量評価と12週毎の用量評価を比較した。12週のグループも4週毎に検査を実施し、2回目と3回目は至適範囲内の偽りのPT-INRの数値を報告した。
<測定>
1次アウトカムは治療域に入った回数の割合で、2次アウトカムは治療域を外れたPT-INRの回数の割合と維持量の変更回数の割合、主要な出血イベントの発生率、客観的に確認された血栓塞栓症の発生率、死亡率である。
<結果>
治療域に入った回数の割合は4週で74.1%、12週で71.6%であった。4週のグループ(55.6%)よりも12週のグループ(37.1%)の方が用量の変更は少なかった。2次アウトカムに差はなかった。
<限界>
12週のグループの患者も4週毎に検査をし、クリニックのスタッフと接触していた。この研究は単一のセンターで実施され、代理アウトカムを使っていた。
<結論>
ワーファリンの用量は12週毎の評価でも4週毎の評価と同じくらい安全で、非劣性はなさそうである。12週毎のPT-INR検査を臨床でルーチンに推奨するためにはPT-INR検査と患者との接触、そして、ワーファリンの用量評価を12週毎の実施と4週毎の実施で比較する必要がある。
【考察とディスカッション】
現時点では積極的にPT-INR検査を12週毎に延長して実施する積極的な根拠にはなりにくいかもしれない。
【開催日】
2011年12月21日