【文献名】
著者名:Klabunde CN, Marcus PM, et al.
文献タイトル:Lung Cancer Screening Practice of Primary Care Physicians: Results From a National Survey.
雑誌名・書籍名:Ann Fam Med.
発行年:2012;10(2):102-110.
【要約】
<目的>
現在の診療ガイドラインは無症候の患者に対する肺癌スクリーニングを勧めていないが、いまだ肺癌スクリーニング検査を指示する医師がいる。健康専門職に対する最近の全国調査の中では肺癌スクリーニングに焦点当てたものはない。この研究では、米国のプライマリケア医の肺癌スクリーニング診療と同時に、肺癌スクリーニング検査を指示する医師の特性を調査した。
<方法>
2006~2007年にプライマリケア医全国抽出調査を実施した。郵送された質問紙にて、肺癌スクリーニングガイドラインへの医師の知識、スクリーニング検査の効果に対する信頼感、そして過去12ヶ月の胸部X線、低線量スパイラルCT、喀痰細胞診の指示数を調査した。また、臨床Vignetteを用いて、無症候だが肺癌に対して異なる喫煙歴を持つ50歳の患者に対するスクリーニングの意志を評価した。
<結果>
全962名の家庭医、GP、総合内科医が質問紙に回答した。(協力率76.8%)全体では、38%の医師が肺癌スクリーニング検査を指示せず、55%が胸部X線を指示し、22%が低線量スパイラルCT、5%以下が喀痰細胞診を指示した。多変量モデルにおいては、専門家グループが肺癌スクリーニングを推奨していると信じている、またはスクリーニング検査が効果的だと信じていればいるほど、プライマリケア医には肺癌スクリーニング検査を指示する傾向が見られていた。他にも、相当量の喫煙曝露のない患者も含んだ無症状患者に対するスクリーニングを勧める傾向が強ければ指示しやすく、患者がスクリーニングを依頼する傾向があれば指示しやすかった。
<結論>
米国のプライマリケア医は、専門家グループが推奨しないにもかかわらず、無症状患者に対して肺癌スクリーニング検査を頻繁に指示する。プライマリケア医と患者は肺癌スクリーニングに関するエビデンスの基盤、ガイドライン、潜在的な危険性、そして不適切な指示に伴うコストに関する情報をより多く得る必要がある。
【開催日】
2012年4月4日