携帯電話と中枢神経系腫瘍

【文献名】
Patrizia Frei et al. Use of mobile phones and risk of brain tumours: update of Danish cohort study.BMJ 2011;343:d6387 doi

【要約】
Objective: 
携帯電話の加入者における中枢神経系の腫瘍のリスクを調査するため

Design: 
コホート研究

Setting: 
デンマーク

Participants: 
1925年以降にデンマークで生まれた30歳以上のすべてのデンマーク人。1995年以前から携帯電話に加入していたか否かでさらに区別

Main outcome measures: 
中枢神経系の腫瘍のリスク。対数線形モデルを用い年齢・教育・収入を調整した、性別による罹患率比。

Result: 
・358,403人の参加者。累積3,800,000人年。
・1990-2007の追跡にて10,729の脳腫瘍の事例。
・男女のリスクは同様
・13年以上使用している人に限定した場合、罹患率比は男性が1.03(95%CI 0.83-1.27)、女性が0.91(95%CI 0.41-2.04)
・10年以上使用している人では、罹患率比は
gliomaに関しては男性が1.04(95%CI 0.85-1.26)、女性が1.04(95%CI 0.56-1.95)
meningiomaに関しては男性が0.90(95%CI 0.57-1.42)、女性が0.93(95%CI 0.46-1.87)
・使用年数や腫瘍の解剖学的部位に容量-反応関係はみられず

Conclusion: 
このコホート研究においては、携帯電話の使用により中枢神経系の腫瘍のリスクの増大は見られなかった。

【開催日】
2011年10月26日