多疾患併存のある中年者の日常生活:混合法システマテックレビュー

-文献名-
González-González, Ana Isabel, et al. “Everyday Lives of Middle-Aged Persons with Multimorbidity: A Mixed Methods Systematic Review.” International journal of environmental research and public health 19.1 (2022): 6

-要約-
要約に本文の内容を佐藤が補足して記載。
多疾患併存患者の健康管理に伴う負荷(定期内服の徹底、病状の自分での把握、食事療法、体重管理、規則正しい生活、身体活動の維持など)は、家族生活、余暇時間、就業に対して、否定的に影響しうる。この混合法システマテックレビューは、中年者(30-60歳)の日常生活に多疾患併存がどのように影響するか評価した研究を統合し、中年者が健康管理に伴う負荷を乗り越える助けとなるスキルや資源を同定する。2人の独立した研究者が、タイトル/要約/全文を7つのデータベースから調査し、データを抽出し、the Mixed Methods Appraisal Tool(MMAT)を用いてバイアスを評価した。我々は、44研究(49,519人)から知見を質的または量的に合成した。
半分以上の研究においては、対象者の代表性や反応バイアス*の評価についての情報は不十分であった。
*質問に対して回答者が不正確な回答や虚偽の回答をしてしまう幅広い傾向
2つの研究が全体的な機能を評価していた(15の調査された身体機能、18の心理社会的機能、28の仕事機能)。19の研究が多疾患併存に対処するためのスキルや資源を探索していた。多疾患併存のある中年は、ない人たちと比べて、全体的にも、身体的にもADL(歩行、入浴、食事、更衣、ベットからの起き上がり)の制限、IADL(家事困難48% 移動困難36% 内服困難5%)心理社会的にもより大きな障害を負っており(心理面:抑うつ、不安、怒り、苛立ち、不全感、恨み、孤独感、屈辱感。社会面:社会活動や余暇活動への参加や楽しむこと、家族関係や婚姻関係の解消)、さらに就業率(正規雇用率44%)と仕事の生産性もより低かった。
ある種のスキルや資源が、彼らの日常生活への対処を助けていた。
(スキル:ユーモアの維持、活動的であり自分のケアに責任を持つこと、社会支援を当てにすること、自分自身のためよりも家族のためにという認識で自らの健康管理をすること、仕事に取り組むことや日々のルーチンワークが正常であること感覚を保つのに寄与すること、意識として「自分をケアすること、医師の助言に従うこと、それを受け入れ、家族や友人を信頼すること」)スキルのタイプは、治療様式、診断からの期間、他の併存疾患、自己認識されている限界に影響を受けていた。
中年者のニーズにあった全体観的で機能的なヘルスケア計画が提供されるために、医療専門職は多疾患併存の対処の経験や関連する健康管理の負荷についてより深い理解が必要である。
(多疾患併存を抱えながら生活する経験とは、正しくない事を認識し、悪いことを行い、その後に自己管理下で行うことができ、生活とうまく折り合いをつけるというプロセスを経る。)

【開催日】
2022年2月2日(水)