プライマリ・ケア看護師の担うべき役割と必要な能力

―文献名―
斜森 亜沙子, 森山 美知子.我が国のプライマリ・ケア機能を担う診療所における看護師の担うべき役割と必要な能力.日本プライマリ・ケア連合学会誌 38-2;2015;102-110

―要約―
【目的】
 プライマリ・ケア診療所において、診療所の果たすべき機能とそこで働く看護師の役割、必要な能力を明らかにする。

【方法】
 プライマリ・ケア診療所に勤務する医師6名と看護師11名を対象に、フィールド調査(面接法及び参加観察法)を実施し、質的機能的分析を行った。

【結果】
 プライマリ・ケア診療所には「外来機能」「在宅支援機能」「地域支援機能」の3つが抽出され、それを支える看護師の役割として「個人及び家族の健康を守る役割」「人々が住み慣れた場所で安心して療養でき/最期を迎えることを支援する役割」「地域の健康問題に対処する役割」、これらの機能を支える「診療所をマネージメントする役割」の4つのカテゴリーが、役割に対応する能力として9カテゴリーと、プライマリ・ケアを実践する専門職者に必要な4つの基本能力が抽出された。

【結論】
 診療所におけるプライマリ・ケア看護師は幅広い役割と能力が必要とされていることが明らかになった。

―考察とディスカッション―
 この論文で抽出された役割・能力は幅広いものであるが、どの項目も必要と思われるものであり、病院でのセッティングでは習得が困難なものと思われる。そのため、まずはこのような能力とそれを習得していくための教育の重要性をスタッフが認識することが第一かと思われた。今後、リハビリや栄養士など、他の職種にも同様の検討が必要と思われる。

みなさんの現場では、
 ・役割/能力の必要性を感じたことはありますか?
 ・特にどのような役割/能力を重点的に習得すべきと思いますか?

【開催日】
2015年7月1日(水)