<文献名>
Royal college of Physicians and Surgeons of Canada:CanMeds Train-the-Trainer Scholar-lifelongLearner Program.2008
<要約>
導入
生涯学習(Life Long Leraning)のコンポーネントは研修医教育から始まる以下の2つの現実として伝えること
1つは「専門家は生涯を通じて変容することを求められること」
もうひとつは「学習スキルと学習資源は変化し続けること」に基づいている。
そして、生涯学習に必要な能力は「自己モニタリング」と「学習資源の活用」である。
良い臨床家であるための5つのドメインは、
1 臨床を含めた業務において学習のマネジメントの方法や戦略を持っていること
2 自分自身の業務を熟知・活用し、学習の優先順位が付けられること
3 業務を向上させうる可能性やイノベーションのポイントを教えてくれるシステムを持っていること
4 疑いや問いから質問を形成・変化させ学習機会に結びつけること
5 継続的に自らの業務を評価し向上させること
である。これに沿ってドメイン毎に必要な能力や資質を以下の通り記載する
ドメイン1「(診療・教育・研究・経営全ての)業務に関する学習をマネジメントする」
a情報リテラシー
効果的な学習戦略(どのように学ぶかを知る)
アクセスする雑誌・ウェブ・データベースを選定する
何を深く読むか、何を入念に調べるのかを選択する
b学習のマネジメント
LLLのワークステーション(PCにあるもの)をセットアップする
省察を投稿し学習ポートフォリオを作成し続けCVやMOCに連携させる
c熟達化の認識
CVを確立し維持する
あなたのCVと活動プロフィールが免許や認証の維持と連携することを理解する
免許や認証の維持のために要求されているものを埋める
ドメイン2「あなたの業務を知る」
4つのドメイン:診療、教育、研究、管理、がある
a専門家としての特定の役割と責務についての情報にアクセスし記録をつける
b専門家としての学習ニーズを同定するために診療情報を活用する
c持続的に専門家としての成長戦略を立案し修正するために診療情報を利用する
ドメイン3「(業務の)活動それぞれを探るようにチェックする(=Scanning)」
a業務の範囲で発展段階にあるもの探り、新たな地平と創造を行う
bガイドラインが診療に統合できるかをプロとして検証し、業務の範囲で根拠に基づいた創造と変化を行う
cもはや効果的でなく、時に有害となっている古い診療を把握し止めること
ドメイン4「業務中の、業務についての、業務のための、問い・疑いから学ぶ」
a生涯学習のために基礎となる不確実性の解決や解明の力を育成し理解する
b疑問の生成や分類などのツール・戦略を同定し、個人や組織が公式化させた疑問になるために活用する
c現実的な疑問の記録や継続的なログそして解決のためのカギとなる戦略を同定し、最終的に業務に組み込むための学習に具体化させる
d日々の自然な業務と最終的には生涯学習として、個人と組織に探求を促進させる好奇心を再び持たせそれを醸成する
ドメイン5「業務評価と業務の向上」
a個人のパフォーマンス、そして組織のパフォーマンス評価のためにどのようなツールが用いられているか?
bそれらのツールはどのように個人の評価に用いられているのか?
cその評価のプロセスではどのように活動を向上させ学びを促進させているか?
<考察とディスカッション>
省察のメモは行っているものの、自然にとれる活動のログ(岡田先生でいうところのユビキタスキャプチャー)
についてはまだまだであると感じた。研究のためのセコムカルテの新たなシステム構築が行われているが、
個人の生涯学習にも活用できるための工夫も盛り込みたいと感じた。
また学会レベルでこれらのシステムを構築することが生涯教育委員に求められており生きている間に完成
させたいとも痛感した。
開催日:平成26年1月22日