― 文献名 ―
Thien-Giang Bach-Huynh, Bindu Nayak, Jennifer Loh, Steven Soldin, and Jacqueline Jonklaas
Timing of Levothyroxine Administration Affects Serum Thyrotropin Concentration
J Clin Endocrinol Metab. 2009 October; 94(10):905-3912.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2758731/
― 要約 ―
Context: レボチロキシンは、食事による吸収阻害を防ぐため朝食前に内服されている。TSH濃度はレボチロキシンの効果の指標である。
Objective: レボチロキシンのTSH濃度に対する効果が、食事摂取と関連した内服のタイミングで変化するかを検討する
Design: 参加者はランダムに6つに振り分けられ、それぞれが8週間のレジメンを3ターム行うクロスオーバーデザインで実施される。3タームのレジメンはそれぞれ朝食前・就寝前・朝食時での内服。TSH・freeT4・freeT3濃度が各レジメンで測定される。
参加者のレボチロキシンの投与量は変更せずに実施された.
Primary outcomeは、他のレジメンと朝食前のレジメンとのTSH濃度の相違。
Setting: academic medical centerで実施された
Participants: 甲状腺機能低下症または甲状腺癌の治療のためレボチロキシンを内服している患者
Results: 65人の患者が参加。朝食前内服の平均TSH濃度は1.06 ± 1.23 mIU/L。朝食時内服の平均TSH濃度は有意に高かった(2.93 ± 3.29 mIU/L). 就寝前内服の平均TSH濃度もまた優位に高かった(2.19 ± 2.66 mIU/L)。
Conclusion: 朝食前以外のレジメンでは、TSH濃度が高く、またばらつきが大きかった。特定のTSHの目標値が望まれ、それにより医原性の潜在性甲状腺疾患を避けるならば、朝食前のレボチロキシン内服により最も狭い目標範囲でのTSH濃度が確保されるだろう。
― 考察とディスカッション ―
この研究では8週間のレジメンなので、長期間の効果は不明であった。
しかし、自分自身では飲みやすさから食後で処方してしまうことが多いので、調整がより困難な患者さんに対しては、朝食前(それが難しければ就寝時)に処方変更することを検討したい。
開催日:平成26年2月19日