―文献名―
Huang, Yuli, et al. “White-coat hypertension is a risk factor for cardiovascular diseases and total mortality.” Journal of hypertension 35.4 (2017): 677.
―要約―
【背景】
白衣高血圧が本当に患者にとって無害かは、まだまだ議論の余地がある。
【方法】
白衣高血圧と、心血管疾患および全死亡のリスクとの関連性を、ベースラインの降圧治療の状況によって階層化して評価した。データベース(PubMed, EMBASE, CINAHL Plus, Scopus, and Google Scholar)から、白衣高血圧に関連する心血管疾患および全死亡に関する前向き試験を検索した。主要アウトカムは降圧治療の状況によって層別化(未治療集団、降圧治療を受けている集団、混合集団)された白衣高血圧と心血管疾患および全死亡のリスクとした。正常血圧との相対リスクを計算した。
【結果】
最終的に14の研究(うち8つはベースラインで降圧治療が無いもの、4つは降圧治療が行われているもの、6つは両方が混ざっているもの)が解析対象となった。診療所での収縮期血圧、拡張期血圧は白衣高血圧群が正常血圧群より優位に血圧が高かったが、診療所外の収縮期血圧は白衣高血圧群の方が血圧は有意に高かったもののその差は診療所血圧ほど大きくはなく、診療所外の拡張期血圧は白衣高血圧群と正常血圧群とで有意差はなかった。
高血圧未治療集団において、白衣高血圧群は正常血圧群より心血管疾患のリスクが38%、全死亡のリスクが20%それぞれ増していた。混合集団においても白衣高血圧群でそれぞれ19%、50%リスクが高かった。しかし降圧治療を受けている集団においては、心血管疾患、全死亡とも白衣高血圧群と正常血圧群とでリスクに有意差がなかった。
FIG.6 Forest plot of the comparison: white-coat hypertension vs. normotension and outcome: cardiovascular disease
FIG.7 Forest plot of the comparison: white-coat hypertension vs. normotension and outcome: all-cause mortality. (RR 1.20, 95% CI 1.03–1.40)
【開催日】
2017年8月2日(水)