本を書くということ

20111107

理事長の草場です。

 「家庭医療のエッセンス(仮題)」の執筆の追い込みに入っている。「家庭医療」って一体何なのだろうか、という根本的な問いに対して丁寧に考える作業の連続である。
書けそうで書けない部分もあり、書こうとすることで書けてしまうところも少なくない。ある患者さんが症状を訴えて受診し、ケアを提供されるという営みを通して、本質を探っていく作業。

本来、ひたすら孤独であるはずだが、幸い、この本は北海道家庭医療学センターのスタッフ・フェローの共著であり、考えを語り合い、結晶化させていく作業はダイナミズムに満ちている。

 雑誌への寄稿などとは異なり、一冊の本という枠組みの中でどこまで何を提供し読者にアプローチできるのか、メンバーの文書の校正作業中も自分の執筆の際もいつも悩みながら筆を進めていく。しかし、こうした機会を頂けていることは本当にありがたいし幸せだと思う。この本が仕上がることで、北海道家庭医療学センターの15年の実践を総括し、もっと先に進んでいけるのではという予感もある。

 大幅に予定が遅れてしまい出版社さんには本当にご迷惑をおかけしているのだが、あと一歩、あと一歩。
 2011年の残りの期間はとにかく「本を書くこと」に汗をかいていきたい。