新サイトでの後期研修卒業に向けて

皆さんこんにちわ!
後期研修医3年目 小西です。

20110225

現在、札幌市にある栄町ファミリークリニックで家庭医療後期研修3年目を行っています。


いよいよ、後期研修プログラムも残すところ1ヶ月となりました!
津軽海峡を渡って、はるばる北海道に家庭医療を学びに来て、はや5年!
いろいろ濃かった研修生活を振り返っています。

今回は、H.22年4月に開設された栄町ファミリーで、開設初年度ならではの学びがあったので、
特に、日本プライマリ・ケア連合学会から後期研修中での学びとして指定されている
「組織・制度・運営に関する能力」
について、この1年を振り返りながら共有できればと思います。

①「禁煙外来」導入に関わるプロジェクト
ここでは、
    ○立ち上げ準備に必要なスタッフの招集

    ○適当な仕事の分担

    ○保険適応で行うための施設基準の把握と準備

    ○役所への手続き

    ○仕事を期日までに、もれなく全体を把握しながら終わらせるための「フィッシュボーンダイアグラム」の使用
    ここでは多くのスタッフに協力頂き、特に医事科には手続きに関していろいろ教えて頂き感謝しています。


②訪問診療導入に関わるプロジェクト
ここでは、

    ○訪問診療導入の流れ(電話受け付け・判定会議など)

    ○初期電話対応での情報収集シート

    ○契約に関わる重要書類

    ○訪問看護師・ケアマネなどと、メールでの連絡体制の構築
    ここでは、他サイトですでに出来上がっているものを参考にさせていただき、栄町ファミリークリニックにフィット
させるような形にしました。知的財産の共有は素晴らしいですね!下半期では木田医師がさらに発展改良してグレードアップしています!


③「特定健診」導入に関わるプロジェクト
ここでは、

    ○電子カルテの設定

    ○役所への手続き
    
○マニュアル作成

    ○スタッフ教育
    じつは、これが一番手こずりました。役所手続きが難解で。また、眼科健診は当院でできないため、他医療機関と契約を結ぶなど。。。プロジェクト委員会を作り、5回ほど会議を行い各スタッフに協力いただき、無事導入できました。実はこのとき、院長から「交渉術」を少し学んだりして。
    例えば、

       ○こちらからの情報は小出しにする。

       ○なるべく先方の情報を聞き出す。

       ○こちら側の「ゆずれない」ラインを明確に持っておく。

       ○カードの切り方   など。

     ちょっとフェローシップ的?要素の学びがあり、対外的にも使ってみました。


④「診療所の月間キャンペーン」に関わるプロジェクト
毎月キャンペーンを実施し、診療を強化しようとするものです。
ポスター掲示やパンフレット作成など行い、患者さんに下記のようなことを周知し強化しました。
    具体的には

     禁煙強化月間

     インフルエンザ予防接種強化月間

     胃カメラ強化月間

     ピロリ菌検診強化月間

     ニューモバックス強化月間

     肝炎ウイルスチェック強化月間    など
キャンペーンを行うことで、患者さんへの情報提供やスタッフの意識付けにもなり、良い経験でした。


⑤「待ち時間対策」

   やはり待ち時間の苦情は多いもの。

   少しでも患者さんのストレスを軽減するために次のような対策を行いました。

    ○看護師の問診から診察まで時間が空く場合、中待合ではなくTVが見える待合室で待機していただく。

    ○処置で時間がかかる場合、「~~医師は処置中ですばらくお待ちいただきます」の掲示を行う。

    ○予約制導入(これは院長の仕事でした)

患者さんをお待たせしないよう努力していますが、やはり混みあう時間帯や家庭医療独特な外来(面接が長い患者さん・外科処置を行う患者さんがいる)のために、どうしてもお待たせすることがあります。
 
これからも良い対策を考え、患者さんにご迷惑がかからない様努力してまいります。    

⑥お看取りに関するパンフレット作成

   はじめて本格的な冊子のパンフレット作成を行いました。

   お看取りという現場では、御家族や付き添いの方には、不安や心配が付きものです。

   少しでもそれらを和らげるよう、情報提供を行い、患者さん・関わる人が穏やかな最期の時を一緒に迎えられるよう
配慮と工夫をしました。少しでも今後役立てて頂ければと思います。


徐々に、リーダーシップをとりながらプロジェクトを進めていく方法が分かり、後半になるほどスムーズにいくようになりました。
1年という短い期間ではありましたが、多くのプロジェクトに関わることで、プロジェクトだけでなく組織に対する帰属意識も強くなりました。
今後、医師としてだけでなく、組織社会で活躍するためにも、良い学びになりました。

最後にすべてにおいて、指導医である松田院長がリードしていただき、無事進めることができました。
良い学びの機会を与えて頂き、本当に感謝しています。
まだまだ未熟で学ぶべきことが多くありますが、ひとまず卒業に向けてラストスパートをかけたいと思います。
では、また。